ナレッジマネジメントとは?目的・導入事例・ツールもご紹介

コロナの影響でテレワークが余儀なくされる会社も多い中で、より一層ナレッジマネジメントが重要になってきています。 ナレッジマネジメントとは何か、目的、手法、導入事例、ツールなどをご紹介していきます。 ぜひ参考にしてみてくださいね。

企業において重要な課題の一つとなっている、ナレッジマネジメント。
今回は、ナレッジマネジメントとは何か、目的、手法、導入事例、ツールなどもご紹介していきます。

ナレッジマネジメントとは?

ナレッジマネジメントの基礎となる考え方は、著名な経営学者であり、一橋大学名誉教諭である野中氏が提唱した『知識経営』に基づいています。

ナレッジマネジメントとは、社員たちが業務を行ってきた中で培われた知識やノウハウ(=ナレッジ)を、会社全体で共有していくという経営手法です。

組織には、“黙認知”と“形式知”という知識の分類があり、黙認知をいかに形式知に変えていくかということがポイントになります。


黙認知とは?

個々人の経験から成り立つ主観的な知識。
長年蓄積されてきた知識やノウハウ、感覚や勘などのこと。
また、言語化されていない知識のことを言います。

形式知

マニュアルや営業手法など、言語化されたりデータなどで示されたりするもの。
個人の主観的な知識やノウハウを、客観的なものとして社内に共有されるもののことを言います

ナレッジが共有されていないと

社内でナレッジが共有されていない場合に起こり得ることには、以下のようなことが挙げられます。

・特定の業務を行っておりその人が転職、他の社員はノウハウを知らなかったため業務が滞ってしまった。
・過去にやっていたのと同じ仕事なのに、データがなく、再度一から調べて行っている
・社員からの同じ質問が多く仕事が進まない

ナレッジマネジメントを導入することによって、このような事態を防ぐことができるのです。

ナレッジマネジメントの目的を明確に持つ

オフィスで会話をしている男性
Business People Corporate Communication Meeting in office

目的が曖昧であると、ナレッジマネジメント導入がうまくいかなくなります。
自社の課題を明確にし、どのような点をナレッジマネジメントで解決していきたいかをはっきりさせることが重要です。
目的をはっきりさせ、ナレッジマネジメントを導入すること自体が目的となってしまうことを防ぎましょう。
ナレッジマネジメントを行うメリットには、以下のようなことが挙げられます。

業務の効率化

社員各々がこれまで持っていた知識やノウハウを集約させることによって、会社全体としての業務効率化を図ることができます。
社員一人一人が自分のやり方で行っていた業務をマニュアル化させることで、業務に慣れていない社員もスムーズに業務を進めることができるのです。


人材育成の効率化

社員たちの経験に基づいて作られたマニュアルやデータなどをまとめておくことは、人材教育にも大きく役立ちます。
上司によって言っていることが違うという問題を解決できるということに加え、何か分からないことがあった時に立ち返るものがあるというのは、社員が安心して働ける環境整えることにも繋がります。


企業としての競争力アップ

ナレッジマネジメントが導入されている企業では、若手社員であってもベテランのノウハウを知り、業務に生かすことができます。
社員一人一人のスキルアップが早いため、企業全体としての力が強化されるのです。
また、他の部署や業務の情報も知ることができるため、人材の適材適所配置による部署移動がしやすくなったり、企業全体の情報を知ることで新たなアイディアが生まれるなどのメリットも。


知識やノウハウの属人化を防ぐ

“この仕事はこの人にしかできない”という仕事をできるだけなくすことが、企業にとってリスクヘッジとなります。
もしその人がいなくなったり働けなくなったりしてしまった場合には、企業としては大きな損失となってしまうからです。
ナレッジマネジメントを進めて、社員同士で業務を共有しておけば、不測の事態にも対応することができます。
転職が当たり前となり、終身雇用制度が終焉を迎えている今、ナレッジマネジメントは重要なリスク回避の手段となり得るのです。


リモートワークにも対応できる

コロナウイルスの影響でリモートワークを取り入れるようになった企業も多くあります。
ナレッジマネジメントとして、オンライン場で情報にアクセスできるようにしておくことで、スムーズにリモートワークを行うことができます。
今後コロナウイルスの感染拡大の状況が予測できない中、ナレッジマネジメントを進めることは企業の急務でもあるのです。

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ナレッジマネジメントの手法4つ

オフィスで同僚とテーブルに並んでパソコンで作業している女性

ナレッジマネジメントを実際に導入していくにあたり、実際の手法4つをご紹介していきます。

ベストプラクティス共有型

過去の成功事例や模範となる過去の経験などから、知識やノウハウ、行動や思考などを集約させて共有する方法。
社内で優秀な社員の分析しまとめておくことが会社の財産となり、組織全体の底上げに繋がります。

知識資本型(経営資本・戦略策定型)

社内のあらゆる知識を様々な面から分析し、経営戦略に活用する方法。
業務内容やプロセスを洗い出すことができ、課題や改善点を見つけやすくなります。
業務を見直し、再検討・再構築する際にも便利です。

専門知識型

組織に存在する専門家の知識やノウハウを社内に共有する方法。
社内で質問が多い内容をまとめておくなども一つの例になります。

顧客知識共有型

顧客情報や顧客からの意見、クレームなど、またそれに対するこちらの対応などをまとめておきます。
同じようなトラブルが起きた場合に迅速な対応を行うことができ、さらに顧客により価値あるものを提供できるようになるのです。

ナレッジマネジメントを行うためのツール

グラフ
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ナレッジマネジメントを進めていくために便利なツールをご紹介していきます。

グループウェア

社内で情報を共有したり、コニュニケーションをとったりして業務効率を上げるツールの総称。
カレンダーや予定の共有だけでなく、日報などを共有できるものも。
また、ライブラリ機能で、ファイルや画像、文書などを共有できるものや、掲示板でメッセージのやりとりが行えるものまで様々。

オンラインストレージ

インターネット上で、データを保存したり共有したりできるシステム。
GoogleドライブやOneDriveを始め、無料で利用できるツールが多いのも特徴です。

エンタプライズサーチ

社内に保存されている情報を検索できるシステム。
情報を探したい時に検索する時間が短縮でき、生産性の向上に繋がります。

SFA、CRM

SFAとは、Sales Force Automationの略で、営業支援システムと呼ばれるもの。
あらゆる営業活動の情報をデータベース化し、営業の生産性を高めてくれるツールです。
属人化されやすい営業現場の情報を管理することで、営業の引き継ぎなどもスムーズに行えるようになります。

CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、顧客管理のツールを意味します。
購買データやアンケート意見、イベント参加状況など、様々な情報を紐付けることで、効果的なマーケティングに繋げることができます。

ナレッジマネジメント成功事例

ナレッジマネジメントの成功事例をご紹介していきます。

情報通信会社の営業本部

社内に、個人の席を決めないベースゾーン、プロジェクトチーム同士で対話を行うクリエイティブゾーン、パーテーションで区切られたコンセントレーションゾーン、ドリンクコーナーがあるリフレッシュゾーンの4つの場所を設置。
部署の垣根を超えたスキルの共有、リラックスした空間などから生まれる思いがけないナレッジの発見などを目指しています。

また、社員全員が持つ個人のホームページ、課で運用するホームページ、部で運用するホームページ、本部で運用するホームページを設けることで、ナレッジの共有を効率化しています。


保険会社のアシスタント業務を行う会社

オペレーターの業務など全業務のマニュアル化を行い、洗い出しを行ったことで、情報の管理方法が統一されました。
マニュアルが整理されたことで、社員が初めて行う業務で手順が分からなくなるということを防ぐことに成功。
また、オペレーターを管理するスーパーバイザーに求められる情報も体系化することで、迅速な顧客対応を行えるようになったのです。

ナレッジマネジメントを成功させよう

社員一人一人が持っているナレッジは会社の財産です。
会社が成長し続けていくためにはとても重要なもの。

ナレッジマネジメントの実現は簡単ではないかもしれませんが、会社としてはぜひ取り組んでいきたい経営手法です。

ツールなどを上手く活用しながら、ナレッジマネジメント導入を進めてみてくださいね。


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